サービスプロバイダー

IPと光伝送の統合に取り組んだZTV

ネットワーク構成をシンプルにし、運用管理工数、設置スペース、消費電力を削減

高度なトラフィック制御にIPと光伝送の統合。キャリア事業を支えるコアネットワークを刷新


ケーブルテレビ事業やネットワーク事業を展開するZTV。RON(Routed Optical Networking)アーキテクチャを採用してコアネットワークを刷新しました。既存の光ラインシステムを利活用したマルチベンダ構成を採用し、構成をシンプルにしたことで、運用管理工数の削減や省スペース、60~70%の消費電力削減を実現。また耐障害性も高めています。

株式会社ZTV

ZTVは、三重県、滋賀県、京都府、和歌山県内の対象エリアで展開しているケーブルテレビ事業をはじめ、インターネット事業、モバイル事業、固定電話事業などを展開しています。

課題

コアネットワークの更改。既存の課題を解決する次期ネットワークを検討

  • IPと光伝送ネットワークの統合を行いたいが、既存の機器をできるだけ有効活用したい
  • 障害発生などに備えて整備したマルチパスを有効活用したい

解決策

大手キャリアが採用する技術を適正なコストで導入できる

  • マルチパスを有効活用できるセグメントルーティングは合理的な進化だと考えた
  • RONアーキテクチャは、運用管理負荷や障害リスクを確実に低減できる
  • シスコのコヒーレントオプティクス(DCO)は、機器を入れ換えたりせずともライセンスを購入するだけでWDMの波長信号帯域を100Gbpsから200Gbpsに拡張できる

成果

IPと光伝送の統合

ネットワーク構成をシンプルにし、運用管理工数、設置スペース、消費電力を削減

マルチベンダ

光ラインシステムの機器は既存の資産を活用しながらマルチベンダ構成でIPと光伝送の統合を実現

セグメントルーティング

マルチパスを活かした迂回などでトラフィックの高度な制御を実現

高い性能や信頼性を実現するための検討を開始

三重県、滋賀県、京都府、和歌山県内の対象エリアで展開しているケーブルテレビ事業をはじめ、インターネット事業、モバイル事業、固定電話事業などを展開しているZTV(ゼットティヴィ)。ネットワーク事業を通じて提供する広域イーサネットサービスは、拠点間をつなぐ安全なWANを簡単に構築できるとあって、同社が光ケーブル回線を敷設しているエリアの自治体や企業を中心に広く活用されています。

この広域イーサネットサービスを支えているのが同社自前のZTVコアネットワークです。「コアネットワークは、広域イーサネットを通じてお客様のビジネスを支えているだけでなく、携帯キャリアの中継網としても利用されており、高い性能、高い信頼性が求められます。積極的に新しい技術を導入しながら、段階的に強化を図ってきました」と同社の中山 貴康氏は話します。

大手キャリアが採用する技術を適正なコストで導入できる

機器のサポート終了に伴ってコアネットワークの更改のタイミングが到来し、同社は次期コアネットワークの構築に向けた検討を開始しました。

複数の提案を比較し、同社が最終的に採用したのがシスコの提案です。

評価したポイントは、大きく2つ。「セグメントルーティング」と「RONアーキテクチャ」です。

「セグメントルーティングもRONアーキテクチャも、近年、大手キャリアを中心に導入が増えている技術です。適正なコストで、それらを導入できるのであれば、ぜひ取り入れたいと考えました」と同社の清水 貴史氏は言います。

セグメントルーティングは、ある経路が混み合っている場合や障害発生時などには、通信を最適経路に高速に迂回させるトラフィックエンジニアリングを実現します。

もう1つのRONアーキテクチャは、IPレイヤと光伝送レイヤを統合するネットワークアーキテクチャです。具体的には、トランスポンダをプラッガブルベースのコヒーレントオプティクス(DCO)へ変更しルータに統合。これによりネットワーク機器の構成をシンプルにし、運用管理負荷を低減。セグメントルーティングのような高度な制御、運用の自動化などにも最適なネットワークを実現できます。

「コヒーレントオプティクスは、機器を入れ換えたり、追加したりせずともライセンスを購入するだけでWDMの波長信号帯域を100Gbpsから200Gbpsに拡張できます」と清水氏は言います。

機器の削減で消費電力は60~70%削減

シスコと共に構築した新コアネットワークは、すでに稼働を開始しています。「何よりインパクトが大きいのが電気代です。従来のネットワークから消費電力を60~70%程度削減しています」と清水氏は言います。

コストの面では、既存資産を有効活用しながらRONアーキテクチャを導入できたことも高く評価しています。「まだ使える機器は継続して利用し、投資を抑制したいと考えました。シスコがすぐに検証機を用意してくれ、問題ないことを確認でき、安心して導入を決断することができました」と清水氏は話します。

新コアネットワークには、様々な可能性があると同社は期待しています。

「セグメントルーティングを活用すれば、用途ごとにネットワークを論理的に分割するスライシングも可能。通信帯域や通信遅延などのメトリックに基づき動的に最適なスライスを選択できるため多様な要件に対応できる。様々な用途に新コアネットワークを活用していきたいですね。エッジに5Gネットワークの基地局を接続し、5Gネットワークサービスのエリア拡大に貢献することもできるのではないかなど、いろいろな施策を検討しています」と中山氏は展望を語ります。

最新技術によってコアネットワークの強化を図ったZTVが、お客様にどのような新しい価値を提案していくのか──。同社の今後のビジネスに大いに注目です。

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